色あわせについて
お客様が指定する色、あるいは喜んでもらえる色に合わせること、あるいは誰が見ても違和感の無い色に出力することは、サイン・グラフィック印刷において最も重要な要素の一つであると同時に最も難しい要素でもあります。
多くの出力会社の方が悩んでおられる問題で、みなさんそれぞれの解決方法をお持ちだとは思います。しかし、出力環境のデジタル化がこれだけ進んでも完璧は方法は確立していないのが現状です。
専門のデザイン会社、コンテンツ制作会社で作成されたデータはたいてい問題ありませんが、昨今は一般個人を含めあらゆる人がパソコン等を使って出力用のデータをつくる時代ですので、色調整が必要となる場合がよくあります。
色指定をされた場合はとにかく指定色に近づければいいのですが(この場合もインクジェットの場合は発色可能な色域が狭いため、鮮やかな色や蛍光色、金銀などのメタリック調の色など再現不可能な色は大変ですが)、特に色指定なされてない場合(個人で作成されたデータなど)試し刷りをして一度見てもらうのがよろしいのですが、そういう時間がない場合は出力者の側でよかれと思う調整をすることになります。
発注者側と出力者側のパソコンの環境は殆どの場合異なります。基準になるものがないため長年の経験と勘だけが頼りといってもいいかと思います。そして「経験と勘」だけを頼りに調整を施す場合は決してやり過ぎないように、7割程度に抑えるようにしています。
これから何回かに分けて色合わせにおける調整方法のこだわりについていくつか考えてみたいと思います。
これらの調整方法はプリンターメーカーが推奨するものではありません。私個人の経験からたどり着いたものであり、最良の方法かどうかもわかりませんのでご了承ください。