グラデーションについて
グラデーションについて
グラデーションは薄い部分から濃い部分まで全域にわたって滑らかに変化しないと見苦しくなります。通常は問題なくきれい出力されますが、色の変化の緩やかな部分(特に濃度の薄い部分)では階段状に縞模様になる場合があります。
これはプリンターのRIPソフトが色の濃度をある決められた数に分割して濃度を決定するためです。グラデーションとは無段階に色が変化するものなのにRIPソフトは無段階には分割できないのです。
分割の数は数年前までは8ビット分解が主流でしたが最近は16ビット分解が主流になっています。
8ビット分解では2の8乗・256段階ですので100%÷256=0.39%となり、CMYK各色ごとに0.39%がグラデーションの1段階の濃度差となります。16ビット(512段階)だとその半分0.195%が1段階です。
A0やB0位の大きさの出力ではたいてい問題ありませんが、大きな面積の出力では全てが拡大されますので縞模様が発生する場合があります。例えば実際の出力サイズの5cmの範囲でC(シアン)の濃度が2%だけ変化する場合ですと2%÷0.195%=10.25(16ビット分割)で5cmは約10段階に分割されることになり、5mm幅の縞が10本出来ることになります。
隣どおしの縞の濃度差はたった0.195%ですのでたいていの場合目立たない程度の縞模様ですが、縞の幅が広くなるほど目立ちやすく1本の縞の幅が10mm位になると結構目立ってきます。
RIPソフトでは今のところこれ以上細かく分解出来ませんし、他に解決する方法もないみたいです。遠い将来でしょうが32ビット分解出来るようになるとかなり改善されると思います。
困ったものですが、出力時にイラストレータやフォトショップでこれを解決する方法が2〜3あります。完全とは言えませんが、次の機会にご紹介させていただきたいと思います。